イセキモトコフプランターは何者か
とあるXのつぶやきが 「イセキのポテトプランター、なんでモトコフって呼ぶんだろ? どこにも記述はないし起源が気になる」
ゼトアモトコフ
チェコのAgrostrojというメーカーで製造されたプランターがチェコのMotokov 社経由で輸出されたため,motokov プランターという名前になった説が濃厚である.
遺跡のプランター?
確かに,イセキ北海道で販売されている謎のポテトプランターIMP-402, IMP-404というものがある. イセキ北海道
独特なピンセットホイール方式で、芋を掴み、播種する方式のようだ。カップタイプが主流の昨今、なかなか尖った製品だ。 しかし、なぜイセキだけがこんな変わったプランターを使用しているのだろうか。
まあ不思議な機械だなぁと思って見ていたのだが、そういえば、このタイプのプランターを「モトコフ」と呼ぶ人が多いことに気がついた。
モトコフ... 何やら東っぽい響きだ。 調べてみよう。
motokov?
モトコフ、って英語にすると、motocof とかmotokof とかmotokov とかmotocov とか色々なスペルが考えられる。なので最初は安直にmotokov potato planter なんでググってみたけど、まあ何も出てこない。 新興国の簡易なポテトプランター程度だ。
はて困った、と思い、キリル文字ではどうかと、Мотоковと打ってみたり、ポーランド語のMotokówと打ってみたりしたけど、まあヒットしない。
google はやめようと思い愛しのagrimanualさんを見てみても、まあ出てこない。
ここでしばらく諦めてたのだが、ebay があるじゃないかということで、ebay で検索してみる。 普通にmotokov では出てこなかったので、最終奥義、potato planter で全探索してみると,,,
CH-4??
メタン、みたいな変なのが出てきた。無断転載...
1959年製、らしい。
植え付け部の絵を見てみると!!! これはピンセットホイール方式か??
calude に聞いてみると、
基本情報
このカタログに掲載されている農業機械は「СН-4」(SN-4)というじゃがいも植付機(カルトフェレサジャルカ/Картофелесажалка)です。後に「СН-4Б」(SN-4B)という改良型モデルが登場しました。
製造元と歴史
- 製造元:ベリンスクセリマシュ工場(Белинсксельмаш/Belinskselmash)
- 所在地:ロシア、ペンザ州
- 工場の歴史:1941年に設立された農業機械製造工場で、1953年にじゃがいも植付機の生産を開始。1967年にモスクワで開催された国際展示会でSN-4Bモデルが金メダルを獲得
技術的特徴
- 用途:じゃがいも種芋の広幅植え付けと同時に粒状肥料の散布が可能
- 植え付けパターン:60×60cmや70×70cmの正方形配列、または60cmや70cmの列間隔
- 列内の距離は調整可能(25cm、30cm、35cm)
- 「ベラルーシ」(Belarus)トラクターと連結して使用
- 4列のじゃがいも植え付けが可能な牽引式機械
- 肥料散布装置を搭載し、じゃがいもの下に肥料を配置可能
仕様と機能
- 機械にはマーカーワイヤーを保持するためのキャリアがあり、トラクターに取り付けられる
- 機械にはワイヤーリール、放出コイル、交換可能な播種機、畝立て装置が装備
- 播種装置はトラクターの動力取り出し装置から動力を得て稼働
- カタログの発行:モスクワ、1962年(ソ連農業機械製造省)
歴史的背景
このじゃがいも植付機はソ連時代に開発・製造されました。製造元のベリンスクセリマシュ工場はソ連時代から現在のロシアにかけて農業機械の製造を続けています。当時、農業の機械化はソ連の重要な政策であり、このような機械が農業生産性の向上に貢献しました。SN-4シリーズは、主にベラルーシトラクター(ミンスクトラクター工場製)と組み合わせて使用されていました。
CH-4
ロシア語のサイト が詳しそうだ。
この翻訳 のすくい取り装置について、「各すくい取り装置は12個のスプーンを持つディスクです。じゃがいも種芋を保持するために、スプーンにはバネ付きクランプ7が付いています」とある。
これは確定ですね。
イセキのプランターのやつも、12個のスプーンだったはず。
この7番は決定的でしょう。
claude 曰く
- 1 — バンカー(ホッパー)
- 2 — 振動装置
- 3 — 攪拌器
- 4 — 供給トラフ
- 5 — シュネック(螺旋コンベア)
- 6 — すくい取り装置のスプーン
- 7 — クランプ
- 8 — 肥料散布装置
- 9 — スプリング付きロッド
- 10 — 肥料供給管
- 11 — 畝間ディスク(覆土ディスク)
- 12 — ハロー(砕土器)
- 13, 14 — 播種管
- 15 — 後部耕起機
- 16 — コピーホイール(深さ調節輪)
色々出てくる
- さっきから色々出てくるSH-4B のシリアルプレート
で、この翻訳は、 - 製造元:ベリンスクセリマシュ製造組合(ПО「Белинсксельмаш」) - モデル:СН-4Б(SN-4B) - 種類:自動化じゃがいも植付機、4列式 - 用途:列植え用 - 製造年:1986年
らしい。
Belinsksel'mash, Белинсксельмашが製造元?
英語では絶対に出てこない。ロシア語で調べないとこの会社の情報すら出てこない。
chatgpt で色々調べてみよう。
すげぇ、イセキが1972年からチェコスロバキアのズブロイオフカ公団とモトコフ公団とゼトアトラクタの生産協力協定を締結した情報を見つけ出した。
これですね。
イセキ農機は、モトコフ公団等を通じてチェコの、あるいはソ連の機械を輸入しており、その際に、このピンセットホイール方式のポテトプランターも同時に輸入しており、そのときに、日本ではゼトアでもないし、チェコの輸出業者であるモトコフ公団の名前を取って、モトコフプランターと呼ぶようになった説が濃厚である。
既にXでは答えが出ていた.
なるほど,Zetor motokov というロゴもあるくらいで,モトコフ公団が持ってきたであろう,プランターも既に見つかっていた.
Zetor - Agrozet SA2 potato planter
これは,先程のIMPプランターとほとんど同じ形状である.
zetor のプランターを持ってきたはいいけど,zetor というとトラクタを指すし,motokov という輸入会社の名前をとってプランターの愛称にしていたのかもしれない.
プレートを見ると,Agrozet社が製造ということである.
SA2-074のマニュアル ピンセットホイール方式である.
このマニュアルを見ると
Agrostroj Prostějov
の名前が裏表紙にある.
Agrozet 製じゃないの? これはなんだろう.
Motokov とZetor とAgrozetとAgrostroj Prostějov
- Motokov はチェコスロバキアの国営輸出入公団,zetor やAgrozet などの機械を各国に輸出していた.
- Zetor は1946年創業のチェコのトラクターメーカー,後に,国営コンツェルンであるAgrozetの傘下に入る.)
- コンツェルンとは,「異なる業種の企業が資本的に結合し、実質的に一つのグループとして経営される企業集団」
- Agrozet はチェコスロバキアの農業機械製造グループの総称,zetor もagrozet の一部,
- Agrostroj Prostějovはチェコスロバキアの農作業機械のメーカー,Agrozet の一部
ソ連が先か,チェコが先か
大きな違いby gpt ソ連のSN-4Bはトラクタの動力駆動だったようで,傾斜地でも作業が出来た反面,構造的に大きすぎたらしい.
それに比べてチェコのSA2は,タイヤでの駆動だったので,軽くて小型化できたらしい.
開発時期については同じようなものなのだろうけど,ソ連は1959年くらいから,チェコは1970年くらい.後追いだとは思うけど,駆動方式とか異なるし.
おそらくソ連が先,チェコが後.
Agrostroj の機械たち
4畝のpalnterもあったようだ. SA2-070/ 1981年4月
他にも様々な種類のプランターがあった. SA2 065やSK4 290
まだ買える??
Agroservicesというメーカー?2畝のものはまだ買えそう. SK2-130 Dvouřádkový sazeč brambor