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AgMachineREPOSITORY
55110 セクション
目次

ゴムクローラのパイオニア諸岡 ― 農業用トラクタと「変な機械」たちの開発史#

Morooka is back!!#

新型フルクローラートラクター開発を本格始動

モロオカの農業用トラクタ史は5期に分けると見通しがよい#

  1. 1958–1978:軟弱地盤と油圧機械の時代
    鑿泉・土木から出発し、トレンチャー、ブルドーザ、不整地運搬車へ。1978年にブリヂストンと幅500 mmの大型ゴムクローラを共同開発し、MST-500を発表する。
  2. 1980年代:農業用「トラクタ」を模索した前史
    トラクタショベル、P.P(Push Pull)トラクタ、草刈車、高速トラクタなど、「ゴムクローラ+HST+作業機」という構成を試行錯誤する。
  3. 1990–1997:MCTからMKへ、農業用フルクローラトラクタの量産期
    1990年9月、公式沿革上も「ゴムクローラ式農業用トラクタの製造販売開始」。MCT-80~250、続いて非常に多くのMKシリーズを展開する。
  4. 1997–2000年代初頭:MK-S、OEM、レーザー、可変トレッド、ハイクリアランスなどの爆発期
    安全キャビン、ポジション制御、レーザー均平、OEM展開に加え、MK-H、MK-A、MK-V、MT/MH/MTT/MFなど、モロオカらしい多用途機が大量に現れる。
  5. 2000–2003:第一幕の終わり。そして2026年、再参入へ
    2026年の諸岡公式発表では大型ゴムクローラトラクタ事業は「2000年に終了」と整理される。一方、Wayback Machineでは2003年初頭まで商品ページが残る。2026年6月、三菱マヒンドラ農機から新型フルクローラトラクタの開発資産を譲受し、モロオカはフルクローラトラクタ事業への再参入を正式発表した。

この区分で見ると、P.P-5000やDシリーズを「1990年のMCT以前の試行」、MCTを「本格量産への転換点」、MKを「展開と熟成」、MK-S以降を「機能と販売網の爆発」、2000年前後を「事業ポートフォリオの転換」と位置付けられる。

農機新聞の紙面をこの区分に重ねると、さらに具体的な変化が見える。

  • 1990年:苫小牧工場落成時にゴムクローラートラクター5型式を大々的に実演。
  • 1991年:MCTシリーズの本格販売を開始し、代理店募集・メンテナンス体制整備へ。同年中に小型化を進め、9月には早くも広告上に「MK」の名称が現れる。
  • 1993–1994年:トラクター単体だけでなく、フォークリフトや専用作業機を含む「ゴムクローラーを核とした農業用作業車群」へ拡張。
  • 1996年:丸ハンドルのMK-Rシリーズ、MSK東急、クボタ共同開発機が現れ、北海道ではゴムクローラートラクター導入が1,500台強と報じられる。
  • 1998年:リバース、アジャスタブル、19機種・20~450馬力のMK、MKT-50Lなど、モロオカらしい派生機が集中。
  • 1999–2001年:ゴム車輪フォークリフト、農機レンタル、ゴムクローラーフォークリフト、自走式粉砕機へと話題が移り、現在の運搬・環境機械へつながる方向転換が紙面上でも見えてくる。

つまり農機新聞を通して見ると、「ゴムクローラーを履いたトラクターを作る会社」から、「ゴムクローラーとHSTを共通基盤として、現場ごとに必要な作業車を作る会社」へ変化したと捉えると、1990年代の製品群が理解しやすい。


写真貼#

ネット上の転がっている写真たち


勝手に歴史#

参照資料:

  • 会社の沿革
  • YouTube の会社案内
  • 手持ちのカタログ(添付 morookaBrochure.pdf、147ページ)
  • 北海道大学の研究報告
  • J-PlatPatの公開特許公報
  • 2026年の諸岡公式ニュースリリース

本社跡や苫小牧工場、熊本工場の跡地については別ページ


創業 - 1980年#

1958年:出発点は農業と鑿泉だった#

  • 1958年 土木・建設の会社としてスタート。
  • 1971年 株式会社諸岡に社名変更。

ここは公式沿革を使うと少し細かく書ける。

  • 1958年3月:茨城県龍ケ崎市川原代町で、独自考案による鑿泉工事業を開始。[一次資料]
  • 1966年11月:資本金1千万円で諸岡鑿泉株式会社を設立。[一次資料]
  • 1971年8月株式会社諸岡へ社名変更。[一次資料]

つまり、「1958年に会社設立」というより、1958年に事業開始、1966年に法人化と整理するのが公式史に近い。

JBICの2024年の企業紹介では、創業者の諸岡一雄氏は龍ケ崎の農家に生まれ、農業に従事する中で井戸掘りを考案したとされる。軟弱な地盤で資材運搬に苦労した経験が、「重い鉄クローラを軽いゴムにできないか」という発想につながったという。最初は自家用の小型ゴムクローラ運搬車を作り、その後、大手ゴムメーカーと大型ゴムクローラの共同開発に至ったと紹介されている。

この話は、後のモロオカ製品を理解するうえで重要だと思う。モロオカは最初から「農業用トラクタメーカー」を目指したのではなく、泥濘地で仕事を成立させるための走行体と油圧機械を作っていた結果、農業に戻ってきたと見る方が自然である。

1975年:全油圧式機械へ#

  • 1975年 全油圧式トレンチャー、ブルドーザ、不整地運搬車の販売開始。
    • MT-300 型トレンチャー、MT-500型トレンチャー
      • MTはMorooka Trencherの略称か。[推定]
      • MT-500L はMT-500とクローラが異なり、長く、重い。
      • MT-300は370万円、MT-500は500万円程度。
      • MT-1500(150馬力)は農業土木用として開発されていたらしい(カタログ裏面文字のみ)。
      • 埋め戻しのためにハイブルをご利用くださいとのこと。セットで使用することを想定していたのかもしれない。
    • MB-22 型 モロオカ ハイブル
      • 土木工事・農作業1台で2役。
      • 非常に低い接地圧(0.1 kg/cm²)であるため、泥濘地での様々な作業に対応。
      • リアヒッチ(油圧シリンダで角度変更可能な角パイプ)に排土板、明渠用プラウ、弾丸暗渠施工機械等の作業機を装着可能。
      • 235万円程度。
    • MS-30 型 モロオカ ハイショベル
      • 0.4 m³程度のバケットを装着したトラクタショベル。

公式沿革では1975年8月に全油圧式トレンチャー、ブルドーザー、不整地運搬車の製造販売開始とされる。ここで確立した「エンジン→油圧ポンプ→油圧モータ」という思想が、その後のクローラトラクタ、キャリヤ、フォークリフト、ショベル、草刈機まで横断的に使われていく。

1977年:南極へ#

公式沿革には、1977年10月から南極昭和基地向けクローラショベル、不整地運搬車の納入開始とある。農業機械とは直接関係しないが、「軟弱地・雪上・極地で確実に走れる」というブランドを作る重要な出来事である。

1978年:幅500 mm「ジャンボクローラ」とMST-500#

  • 1978年 幅500 mmのジャンボクローラ 超湿地運搬車 MST-500を発表。
    • モロオカ・ハイトラック MST-500
      • 1本レバーで、女性でも楽に運転、大きな荷台でスピーディーに。
      • ブリヂストンと共同開発した特殊ゴム履帯。
      • ダンプ機能で土砂運搬、ユニックを取り付けて暗渠管やトラフ運び。
      • 簡易キャブ付きもある。
    • MST-500S(1982年)
      • MST-500の改良版。
      • 最大移動速度など仕様が異なる。
    • MST-300(1982年)
      • MST-500は51馬力、MST-300は30馬力。
      • 徐々にラインナップを増やしていく。
    • MST-1000型
      • 当時としては最大か。
      • ゴムクローラ高速キャリヤ、省エネ型、スチールキャブが売りらしい。
      • 82馬力エンジン。
    • このくらいまでがオレンジ色の機体。

公式沿革では、1978年10月、ブリヂストンの協力を得て幅500 mmのジャンボクローラを共同開発し、超湿地用運搬車MST-500を発表と明記される。

現在の諸岡製品サイトも「1978年、ブリヂストンとの共同開発によって世界で初めて大型モデルのゴムクローラの開発に成功」と表現している。ここでいう「世界初」は諸岡側の公式な表現として扱うのがよい。


1980年 - 1990年:ゴムクローラトラクタ黎明期#

龍ケ崎の工場でほそぼそと、何か形になるものを作っていた準備段階。

1980年:ついに農業用トラクタへ#

MBやMSなどに、リアヒッチと呼べるかわからないような簡易装置をオプションとしていたことからも、何かしら農作業をしたいという思いがあったことがうかがえる。MB-50、MB-30の大型機に改善されたリアヒッチが取り付けられたことによって、その思いはより具体的なものとなった。

  • MB-50 モロオカ トラクターショベル
    • ハイショベルから名称が変更され、トラクターショベルとなった。
    • 立派な3点リンクヒッチが架装され、PTOも搭載。
    • エンジン馬力50 PS、PTO馬力10–50馬力と記載。
    • PTOは油圧モータではなく直結ということだろうか。クラッチはあったのだろうか。[未確認]
    • バケット容量は0.5 m³程度。
    • カタログにはロータリやビーチクリーナが装着された写真。

添付カタログの初期MS-50系資料を見ると、3点ヒッチ、PTO、低接地圧、油圧走行という要素がすでに揃い始めている。後のP.PやMCTは突然生まれたのではなく、トラクタショベル系の「走行体を作業機ベースとして使う」発想の延長にあると考えると理解しやすい。

1981年:モロオカ「トラクター」P.Pシリーズ#

ついに「トラクター」と名乗り始めた。

キャッチコピーは、

世界初の前後進クローラトラクター
押してもだめなら......引いてみろ!!
プッシュプルトラクター,50馬力無段変速
  • P.P 3000, P.P 5000(開発名称 MIG5000)
    • P.P は Push Pull であると予想。実際、添付カタログ表紙には MOROOKA PUSH PULL TRACTOR と記載されるため、P.P = Push Pull とみてよい。
    • MB-50からバケットを取り外して、シートを回転できるようにしたものか。[推定]
    • PTOも搭載しているようだが油圧モータか。カタログには全油圧式と銘打ってある。

P.P-5000の仕様[一次資料:添付PDF p.130]#

項目P.P-5000
機体重量2,300 kg
エンジンいすゞ 4BA1
出力50 PS / 2,250 rpm
最大けん引力3,200 kg
走行速度前進 10 km/h、後進 10 km/h
全長2,500 mm
全幅1,550 mm
全高1,500 mm
登坂角度40°
接地圧0.15 kg/cm²
履帯ブリヂストン特殊ゴム
油圧装置プランジャーポンプ、モータ、PTOプランジャーポンプ加速
作業機取付油圧三点リンク方式

カタログには「前後進作業機(一台百役)アタッチメント」として、建設作業側にホーク・除雪・道路清掃・油圧作業機・排水ポンプ・バックホー・ショベル・ブルドーザ等、農作業側にトレンチャー、バインダ、深耕、ロータリー、畑作用作業機、傾斜地作業機、収穫機、ロードダスター、小石取り、堆肥積機等が並ぶ。

つまり、P.P-5000は現代の「専用農業トラクタ」というより、前後どちらも作業側にできる油圧式万能作業車に近い。これがモロオカらしい。

1983年:「It's another world」#

クローラキャリヤのラインナップを拡充し、モロオカらしい変な車両が登場してくる。

  • クローラキャリヤ:MST-300, 600, 800, 1100
    • 31馬力から110馬力まで。
    • 総合カタログには「It's another world」とあり、1100以上の大型機開発も進んでいたことがうかがえる。
  • ハイブルはMB-50Tへ。
  • ハイショベルはMS-50, MS-30へ。

特筆すべきは次の2系統。

SCOOP 03 / SCOOP 05#

  • タイヤ式でスキッド式?のタイヤショベルの可動域が広くなったような機械。
  • 「世界で初めて生まれたショベルとバックホーの兼用機」。
  • 水陸両用でスピーディな作業が可能な万能車。
  • 03は33馬力、05は50馬力らしい。

P.P 3000 / P.P 5000 クローラ草刈車#

  • 大型の草刈り機は堤防や原野の草刈りに使用。
  • 農業開発事業団、建設省、中国地建等に採用。
  • 密閉キャブで粉塵対策。エアコンはあるのか。[未確認]
  • 3000は42馬力、刈幅1,600 mm。
  • 5000は50馬力、刈幅2,000 mm。
  • このP.PはPush-Pull TractorのP.Pをそのまま使用したものと思われるが、キャブは草刈車専用と思われる。[推定]
  • 斜面草刈の歴史は別ページ

1985–1990年:混沌、視界不良#

資料が少なく情報が薄い。しかし奇妙な機械が醸成されている。

MJ100#

  • 高速型のクローラダンプ。
  • パラシュートを引いている絵が印象的。

ゴムクローラ トラクターシリーズ D系#

  • 高速トラクターシリーズ 40馬力–275馬力??
  • D210K, D210M は40馬力、それぞれ小松と三菱エンジン。
  • D310は110馬力。
  • D410は130馬力。
  • D510は275馬力。
  • ロータリー、スタビライザー、ブッシュカッター草刈機、道路切削機。
  • D310, D410, D510は走行がHSTシステム。

キャッチコピー:

前方につけたブレードで境界をとり,後方のロータリーで田畑を耕す
-村1台- 農業生き残り機械

トラクターの大革命を拓くMOROOKA

ギーギー,ガタガタが全く感じられない乗り心地

これらは小松や三菱の農業用トラクタにゴムクローラを履かせただけではないのだろうか。特にD210Kは小松D20、D210Mは三菱のブルに見える。[形態からの推定・要検証]

ゴムクローラ トラクターショベルシリーズ#

  • 以前のMSシリーズの発展と考えられる。
  • 年代不明だが MS-25, 45, 55, 150, 200 と豊富なサイズ展開。
  • バケットも大きい。

添付カタログp.128にはこの5機種の仕様表が残る。

型式機体質量 kgエンジン出力 PS/rpm排気量 cc走行速度 km/h接地圧 kg/cm²クローラ幅 mmバケット m³価格 万円
MS-251,650いすゞ 3KR128/26001,4220–60.133500.25330
MS-452,300いすゞ 4JB152/23002,7710–70.124000.40395
MS-553,850小松 4D95L70/26003,2600–70.124500.55460
MS-1506,500三菱 S6K-T150/26006,3730–6–120.136001.0690
MS-2006,850日野 H06C-T1200/26006,4850–6–120.156001.2770

このMS系とP.P系を見ると、MCT以前のモロオカはすでに、

  • ゴムクローラ
  • HST
  • 3点リンク
  • PTO
  • 前後作業
  • ローダ/ショベルとの兼用

という部品をほぼ全部持っていた。1990年MCTは「突然の発明」というより、1980年代に散らばっていた機能を農業トラクタとして再構成し、商品体系として完成させたものと考えると筋が通る。


1990 - 2000年:クローラトラクタ全盛期#

  • 小型機種から大型機種まで多様なクローラトラクタを展開。
  • 水田農家を中心として、北海道、北陸で広く普及した。
  • Morooka Adventureシリーズが登場。
  • トラクタやキャリヤダンプなどを一新、波に乗り始める。
  • 1990年5月:苫小牧工場完成。
  • 1990年9月:MCTシリーズの製造販売開始。

公式沿革にも、

  • 1990年5月:苫小牧工場完成、北海道拠点を岩見沢から苫小牧へ移転
  • 1990年9月:ゴムクローラ式農業用トラクタの製造販売開始

と明記される。

したがって、「農業用ゴムクローラトラクタの本格事業化」の年は1990年と置いてよい。一方、P.Pなど1980年代の機械は前史・先行機として扱うと、公式史とも矛盾しない。

1990年9月11日:苫小牧工場落成時に5型式を実演[農機新聞]#

農機新聞の苫小牧工場落成記事では、見出しに、

諸岡 苫小牧工場落成記念式盛大に
関係者三千名招待
ゴムクローラ トラクター 五型式実演披露

とある。工場規模についても、紙面上では敷地約10万m²、工場約3万3,500m²と示される。

ここで重要なのは新工場そのものより、落成式の場で農業用ゴムクローラートラクター5型式を実演していることである。後のMCTが5型式で構成されたことと合わせると、1990年秋は試作・開発段階から量産商品として表舞台へ出る転換点だったと考えやすい。

したがって、新聞と公式沿革を合わせると、

  • 1990年5月:苫小牧工場完成
  • 1990年9月:5型式を公開実演、製造販売開始
  • 1991年1月:新聞上で「本格販売を開始」

という三段階で整理できる。

MCTシリーズ ADVENTURE(1990年)#

  • 赤いモロオカトラクタ。
  • MCTはMorooka Challenger Tractorの略、という噂も。[未確認]
  • 何はともあれ、国産初の量産トラクタ、とする手持ち資料上の位置付け。
  • MCT-80, 100, 150, 200, 250 の5シリーズ。
  • キャッチコピー:
トラクターの大革命
国際競争に勝てる― 世界戦略トラクター

MCTシリーズ主要仕様[一次資料:添付PDF p.126]#

型式MCT-80MCT-100MCT-150MCT-200MCT-250
全長 mm3,1503,6203,7703,9704,345
全幅 mm1,8501,9002,1002,2002,500
全高 mm2,6002,6002,6002,6002,800
最低地上高 mm435435435450450
エンジン日野 W04D日野 W04C-Tいすゞ 6BG1-T日野 H06C-T1小松 SA6D108
出力 PS/rpm85/2500110/2500160/2500200/2500260/2500
排気量 cc4,0093,8396,4946,4857,150
クローラ幅 mm350400500600700
ゴムクローラ周長 mm6,9006,9006,9006,9006,900
速度1速 km/h0–100–100–100–100–10
速度2速 km/h0–150–150–150–150–15
登坂能力38°38°38°38°38°
最小旋回半径その場旋回その場旋回その場旋回その場旋回その場旋回
接地圧 kg/cm²0.180.150.150.160.15
PTOメカ式 540 rpmメカ式 540 rpmメカ式 540 rpmメカ式 540 rpmメカ式 540 rpm
機械本体重量 kg3,9504,3504,8505,2506,150
本体価格 万円580680780880980

1991年:MCTは「発表」から「全国販売」へ[農機新聞]#

1991年1月22日:本格販売開始

農機新聞の見出しは、

諸岡
ゴムクローラートラクター 本格販売を開始
作業機も豊富・メンテナンスも万全

さらに「広く農機代理店を募集」「高性能と経済価格が魅力」とされる。写真にはトレンチャーを装着したMCT系列が掲載される。

この時点では、単に機械を完成させただけではなく、

  • 全国販売
  • 作業機ラインナップ
  • メンテナンス体制
  • 農機代理店網

まで含めた農業機械事業としての体制づくりへ進んでいたことがわかる。

1991年2月19日:MCT-80~250を広告展開

新聞広告でもMCT-80 / 100 / 150 / 200 / 250の5型式が並び、出力・価格は上記カタログ値と一致する。

型式広告記載出力広告記載価格
MCT-8085 PS580万円
MCT-100110 PS680万円
MCT-150160 PS780万円
MCT-200200 PS880万円
MCT-250260 PS980万円

広告には**「レンタル・リースも大歓迎!!」**ともあり、のちのレンタル事業につながる発想がすでに見える。

広告で強調された構成は、

  • 作業/移動用の走行2段変速
  • モロオカ独自の簡単操作
  • HST
  • PTO
  • ゴムクローラー
  • 軽量・強固なアルミ製キャビン
  • 不整地追従を狙ったボギーシステム
  • 大型機用専用ロータリー

などである。農業トラクターに必要なPTO・3点リンク・作業速度と、モロオカのHST・ゴムクローラー技術を一つの車体へまとめる段階だった。

1991年5月28日:全国から引き合い、小型シリーズ量産化

農機新聞は、

ゴムクローラートラクターに大きな反響
全国各地から引合い
小型シリーズも量産化

と報じ、写真説明にも「小型80馬力も量産化開始」とある。軟弱地・湿地での走行性、牽引力、安定性、低接地圧などが評価され、当初の大型中心から早くも小型側へ商品範囲を広げていた。

1991年7月23日:各地の展示会で人気

同年夏の紙面では「新製品は展示会の花」としてゴムクローラートラクターが大きく紹介され、

  • 機動力
  • 牽引力
  • その場旋回
  • 安全性
  • 簡単操作

が実演で注目されたとされる。

この時期の小型シリーズとして新聞写真から40馬力、60馬力、86馬力の3クラスが確認できる。型式名は紙面解像度から確実に読めないため、ここでは出力クラスのみ記録する。

MCT-250は大学で本気で試験されていた#

北海道大学の1992年論文、

  • HATA, TAKAI, SAKAI, NAMBU, Tillage Operations by Rubber-Tracked Tractor with Hydro-Static Drive, Journal of the Faculty of Agriculture, Hokkaido University 65(3), 229–237 (1992)
  • HUSCAP

では、MCT-250を供試機として、けん引試験、プラウ、ロータリ、サブソイラ作業を詳細に評価している。

論文の供試機仕様は、全長4,345 mm、全幅2,500 mm、全高2,800 mm、最低地上高450 mm、質量6,150 kg、SA6D108、排気量7,150 cc、クローラ幅700 mm、最高15 km/h、機械式PTO 540 rpmであり、添付カタログのMCT-250とほぼ一致する。論文側の最大出力は184 kW/2,500 rpmと記載され、カタログの260 PS表記とは定格法・仕様時期等の差を確認する必要がある。

興味深い試験結果は次の通り。

  • 刈株圃場で連続最大けん引力50 kN、すべり率15%、けん引係数83%
  • 過負荷では56 kN、けん引係数約93%。
  • 雨後で4WDトラクタの使用が難しい条件でも、2連24インチモールドボードプラウを使用。
  • プラウ:作業能率49.2 a/h、圃場作業効率54.6%。
  • ロータリ(Morooka HR2500):作業能率33.1 a/h、圃場作業効率70.8%、耕深23 cm。
  • サブソイラ:作業能率61.3 a/h、耕深37 cm。

一方で、論文はモロオカの長所だけを書いていない。むしろ開発史としては欠点の指摘が非常に面白い。

  • 重けん引時に走行レバーだけでポンプ容量を絞るとHST効率が低下する。
  • 速度制御と操向制御が同じレバーに重なっていることが重けん引作業時の操作を難しくする。
  • 実車速計が必要。
  • 3点リンクには少なくともポジションコントロールが必要。
  • エンジン騒音低減が必要。

つまり、MCTは「完成された理想機」ではなく、ゴムクローラの圧倒的な走破・けん引性能を示しつつ、農業トラクタとして必要な操作性・作業機制御を詰めていく途中の機械だった。ここからMK、MK-Sへ何が改良されたかを見ると非常に面白い。

ゴムクローラー ゲレンデ整備車 MGM ADVENTURE(1990?–1991?)#

これから始まるモロオカのナニコレ車両系第1弾。MGM-180, MGM-280。

四季を通じ世界のスキー場でお役に立ちます.
超幅広のゴムクローラ(1000mm, 1300mm)は,誰でも簡単に操作が出来,しかも走るだけで正確に能率よく圧雪出来ます.
最高速22km/h で移動も早く舗装の上も走行可能
冬はもちろん,夏のゲレンデ整地,草刈りに最適です.

うーーーーん、幅広のゴムクローラはすごそう。

  • ゆきみらい1991@上越ではMGM-280が展示されていたらしい。
  • このゆきみらいではMT-70なるロータリ除雪車(MM改造?)もあったみたい。
  • 建設の機械化 1991 April
  • MGM-200なるゲレンデ整備車を1990年の冬とぴあで展示していたということは、MGM-280は1990年の機械で、ゲレンデ整備車は1990年以前には開発していたことになる。
  • 1992年のゆきみらいでは展示しなくなっちゃった……。

添付カタログp.33–36にはMGM-180/280の専用カタログがあり、1,000/1,300 mmという超幅広クローラを前面に出している。農業トラクタと同じ「低接地圧+HST」を雪上へ横展開した好例である。

MKシリーズ(1991–1997):一気に増える#

MCTからMKへモデル変更。

  • MKはMorooka Kazuo(諸岡一雄さん)の略称、との噂も。[未確認]
  • MK-40, 60, 80, 100, 120, 140, 160, 200, 220, 240, 260, 280, 300と13機種のラインナップ。
  • モロオカトラクター株式会社という会社を同じ敷地内に。
日本で生まれ世界に育つ

1991年9月3日:農機新聞広告では早くも「MK」名称が現れる#

年代整理上かなり重要な資料である。1991年2月にはMCT-80~250を大きく広告していたが、同年9月の諸岡広告ではすでに「MK」名称が使用される

広告中の牽引力区分は、

  • MK-40~80:2,500 kgf
  • MK-100~160:4,500 kgf
  • MK-200以上:7,500 kgf

となっている。

また、

  • 軽量・強固なアルミ製キャビン
  • デラックスシート
  • モロオカ独自の操作システム
  • 国際規格3点ヒッチ
  • 走行2段変速
  • ボギーシステム
  • ゴムクローラー

を特徴としている。

したがって少なくとも農機新聞上では、1991年初頭のMCT本格販売から同年9月のMK名称出現までが非常に短い。MCTを長期間販売した後にMKへ交代したというより、量産立上げ初期に商品体系を急速に組み替えていた可能性が高い。

Morooka Tractor(1993頃)#

マイナーチェンジを重ねながら現場へ浸透。

  • MK-20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 120, 140, 160, 200, 220, 240の15種類!!
トラクターの大革命を拓くMOROOKA Tractor
冷害を克服し復田を実現するモロオカトラクター

MK「M(諸岡)・K(一雄)」シリーズ主要諸元表[一次資料:添付PDF p.96]#

手持ちカタログには、MK-30~MK-220の13機種を一枚に並べた仕様表がある。ラインナップの異常な幅を実感できる。

型式質量 kgエンジン出力 PS/rpm排気量 cc速度1速 km/h速度2速 km/hけん引力 kg接地圧 kg/cm²クローラ幅 mm価格 万円
MK-302,390ヤンマー 3TN84L30/24001,4290–6.50–123,3000.11400280
MK-402,960クボタ V220340/24002,1970–6.50–123,3000.18400350
MK-503,050ヤンマー 3TN100L50/24002,5810–6.50–124,0000.13450430
MK-603,270小松 4D95L60/22003,2600–6.50–125,0000.15450480
MK-703,980三菱自工 4D3270/22003,5670–60–145,5000.15450520
MK-804,140日野 W04D80/22004,0090–60–145,5000.15450550
MK-903,550ヤンマー 4TN100TL86/24003,4550–70–134,7000.15250590
MK-1004,150日野 W04DT100/22003,8390–90–156,5000.14500680
MK-1204,390小松 S6D95L120/22004,8900–90–156,5000.14500730
MK-1404,750三菱重工 S6K-T140/24006,3730–90–156,5000.14500750
MK-1604,890三菱自工 6D14CT160/24006,5570–90–157,0000.13600780
MK-2005,330日野 H06C-T1200/24006,4850–100–167,0000.15600830
MK-2206,650小松 SA6D108220/22007,1500–100–1610,0000.14700930

注意:カタログは時期ごとに同じ型式でもエンジン、キャビン、重量、価格等が変わる。上表は「添付PDF p.96の版」の値であり、MKシリーズ全期間を通じた唯一の仕様ではない。

小型MKシリーズ[一次資料:添付PDF p.90]#

  • MK-25, 30, 35, 45, 55, 65。
  • MK-25と65は排土板付き。
  • MK-35, 45, 55はフォークリフト付き??

カタログ表では次のようになる。

型式質量 kgエンジン出力 PS/rpm速度 km/h(1/2速)けん引力 kg接地圧 kg/cm²クローラ幅 mm価格 万円
MK-251,550三菱 K4F-DT25/20000–6 / 0–102,5000.16300280
MK-302,600三菱 K4F-DT30/24000–6.5 / 0–123,3000.15400320
MK-352,600三菱 K4F-DT3138/27000–6 / 0–113,3000.14400400
MK-453,690ヤンマー 3TN-100L48/25000–8 / 0–135,0000.14500450
MK-554,020クボタ D3502-B60/28000–8 / 0–135,0000.11600500
MK-653,550ヤンマー 4TN100TL75/22000–8 / 0–135,0000.16500530

この表で面白いのは、同じ「MK」でも小型機は三菱・ヤンマー・クボタ、大型側は日野・小松・三菱重工など、エンジンメーカーが極めて多いことだ。モロオカはエンジンまで内製する総合農機メーカーではなく、ゴムクローラ走行体とHST、作業機インターフェースを核にして、適切なエンジンを組み合わせる「プラットフォーム屋」に近かったように見える。

1992年:MK-80が「車輪トラクタが入れない泥田」で収穫する#

北海道大学農学部附属農場の報告、

  • 高井宗宏ほか「泥濘化したコーン畑でゴムクローラトラクタ作業」北海道大学農学部農場研究報告 28, 1–8 (1993)
  • HUSCAP

は、広告ではなく実際に救済作業としてMK-80を使った記録として非常に価値が高い。

1992年8–9月の多雨で、北大農場のデントコーン圃場は泥濘化した。90馬力級4WDトラクタにフォレージハーベスタを付けて入れたところ、タイヤが硬盤まで沈み、ラグに泥が詰まり走行不能。大型トラクタ3台を直列につないで引き出す事態となった。

そこで投入されたのが MOROOKA MK-80

論文の供試機表:

  • MK-80
  • MOROOKA
  • 4気筒ディーゼル
  • 80 PS
  • rubber-track
  • single HST
  • track size 445 × 2,080 mm
  • NEW HOLLAND 717S 1-row forage harvesterを牽引

結果:

  • 約1.7 haを1.5日、実質11時間で収穫。
  • 総合作業能率 16.6 a/h
  • キャリヤ待ち時間を除いた理想作業能率 28 a/h、作業効率約70%。
  • 土壌水分60%超で滑り率が増加し、水分100%付近で約20%。
  • 普段ホイールトラクタを使う運転者でも数分で操作を覚えた。
  • 一方、操向レバーが敏感すぎて疲労し、キャビンからの前方視界にも改善余地があった。

これは「水田向けだから売れた」という抽象論よりはるかに強い証拠で、普通の車輪型トラクタでは作業そのものが成立しない条件で、フルクローラが農作業を成立させたことを示している。

1993–1996年:トラクターから農業用作業車群へ、そして大手との共同展開へ[農機新聞]#

1993年2月9日:農業用ゴムクローラーフォークリフト12型式#

農機新聞には、

農業用ゴムクローラー フォークリフト発表
十二型式を一挙に
軟弱地・不整地で威力抜群

とある。

これはトラクターそのものではないが、ゴムクローラートラクターで培った軟弱地走行、HST、小旋回、低接地圧をフォークリフトへ移植した重要な展開である。この頃から「トラクターを完成させる」より、ゴムクローラー走行体を共通基盤として現場ごとに全く異なる作業車を作るという方向がはっきりする。

1994年4月19日:ゴムクローラートラクター「順調な伸び」#

見出しは、

ゴムクローラートラクター 順調な伸び
専用作業機も充実
プロ農家でも高い評価

となっている。1991年の「展示会で人気」「引き合い」という段階から、1994年には専門農家で使われる生産機械として語られるようになった。

1994年10月25日:MK-35・45・55を汎用小型機として訴求#

広告には、

汎用性の高いゴムクローラ型トラクター
トラクターが更に前進
(MK-35・45・55型)

とあり、3点リンク:カテゴリーII型、PTO:540 / 1000 rpmが確認できる。

つまり小型MKも、単なる小型クローラ車ではなく、一般的な農業用トラクター作業機を接続できる多目的動力車として商品化されていた。

1996年1月:MSK東急 MK-R、丸ハンドル仕様13機種#

1996年1月23日の記事は、

「乗用車感覚」の操作性
エム・エス・ケー東急
MK-Rシリーズを発売
丸ハンドル仕様、全13機種

と報じる。翌1月30日の新製品欄でも「待望の丸ハンドル仕様」と取り上げられた。

従来の2本レバー式がクローラ車らしい特徴だったのに対し、MK-Rは丸ハンドルを採用し、ゴムクローラーの低接地圧・牽引力・湿田走破性を保ちながら、一般の車輪トラクターに近い操作感を狙った。

1996年8月27日:MKは25~250馬力、北海道導入1,500台強#

同日の諸岡広告には、

M・Kシリーズ 25馬力から250馬力までシリーズ充実

とある。

さらに実演記事では、

  • 北海道の水田地帯でゴムクローラートラクターが人気
  • 導入台数は1,500台強
  • その先鞭をつけたのはモロオカゴムクローラトラクタ
  • モロオカとクボタが共同開発したゴムクローラートラクタが翌春から市場投入予定
  • 実演会には北海道内の指導機関関係者ら約500名が参加

と報じられる。

この1996年は、モロオカ独自の特殊機械だったゴムクローラートラクターが、大手メーカーも参入する一つの市場カテゴリーへ変わった年とみることができる。


1997年以降:MK-SとOEMの時代#

1997年1月:なぜゴムクローラーだったのか――「人が歩くより土にやさしい」[業界技術記事]#

1997年1月1日の農機新聞特集には、

人が歩くより土にやさしい
普及と技術的課題

というゴムクローラーの技術記事が掲載されている。モロオカ単独の記事ではないため製品史の一次資料とは区別する必要があるが、当時の水田・軟弱地でゴムクローラートラクターが受け入れられた背景として重要である。

記事では、車輪トラクターと比べてゴムクローラーの平均接地圧が低く、走行後の土壌への影響が浅いことが図示される。農業側から見た価値は「沈まない」だけではなく、

  • 接地圧低減
  • 湿地での牽引力確保
  • 土壌踏圧の低減

にもあった。

MK-Sシリーズ(1997–)#

  • キャビンの安全鑑定を受け、MKシリーズがSになった。S = SafetyのS?[推定]
  • ポジション自動水平機能と国際規格の三点リンクが装着。
  • 三菱農機、コマツ、クボタ、イセキ、エムエスケー、ニューホランドからトラクターが販売されていたことがカタログから判明。
    • エムエスケーは三菱グループだから、MKMで三菱農機が積極的にクローラトラクタを販売していたことからまだ理解できるが、ニューホランドは全く不明。なぜ。
  • この時期が一番面白い機械(世の中にない機械)を製造・試作していたと思う。

MK-S主要諸元の一例[一次資料:添付PDF p.61]#

型式質量 kg出力 PS/rpm排気量 cc速度1速 km/h速度2速 km/h接地圧 kg/cm²クローラ幅 mm
MK-40S3,30054/24002,7320–70–120.15500
MK-60S4,05065/24003,4990–70–120.19500
MK-80S4,69085/24004,6650–90–130.23500
MK-100S4,67099/25003,9900–100–140.23500
MK-120S5,990115/24005,8320–90–130.25500
MK-140S6,270154/25005,8800–100–140.22600
MK-160S6,295180/26005,9800–100–140.22600
MK-200S8,830250/22008,3000–70–110.23700

1998年の総合カタログ:OEM7社を明記#

1998年8月11日:新聞広告ではMK 19機種・20~450馬力#

同時期の農機新聞広告には、

圃場を選ばず・全天候型のゴムクローラー式
Morooka Tractor

とあり、さらに、

農建トラクター M・Kシリーズ19機種(20馬力~450馬力)

と記載される。

「農業トラクター」ではなく農建トラクターと呼んでいることも重要で、農業と建設の境界を行き来できること自体を商品価値としていたと考えられる。

添付PDF p.16の1998年版総合カタログには、次の趣旨がはっきり書かれている。

  • コマツ
  • 日立建機
  • クボタ
  • 三菱農機
  • 井関農機
  • MSK東急
  • 日本ニューホーランド

とのOEM供給により大量生産を可能にしている、という記述である。

さらに「日本をはじめ世界各国に約6万台の販売実績」という表現もある。ただし同じ段落にはキャリア、トラクタ、フォークリフト、ショベルローダ、雪上車など複数製品群が列挙されているので、6万台を農業用トラクタだけの累計と読むのは危険である。

OEM実機・カタログで確認できるもの#

コマツ

添付PDF p.81の「全天候型ゴムクローラトラクター」には、

  • MK40
  • MK60
  • MK85
  • MK125
  • MK220

が並ぶ。裏表紙には**販売 KOMATSU、製造 MOROOKA(株式会社諸岡)**と明記されている。OEM関係を最も直接的に示す資料の一つ。

三菱農機

添付PDF p.64の三菱ゴムクローラトラクタ:

型式出力 PS備考
MKM-550X60HST
MKM-750X75HST
MKM-1150X115HST
MKM-1450X140HST
MKM-1650X160HST
MKM-2050X200HST

三菱は後述するレーザー均平制御にも積極的で、単なる色違い販売以上に、作業機制御を組み合わせて商品化していたことがわかる。

クボタ

添付PDF p.47–58にはクボタのゴムクローラトラクタ資料がまとまっている。

型式出力 PS運転質量 kgクローラ(幅×接地長)mm低速 km/h高速 km/h
KG55562,900450×1,8500–6.20–11.0
KG65653,500450×1,9700–8.00–15.0
KG75753,500450×1,9700–8.00–15.0
KG1001004,500550×2,1100–7.50–15.0
KG1201204,800550×2,3800–100–17.3

クボタ側はMACではなく自社の制御・操作系へ統合しており、同じ「フルクローラ」でもブランド側で農業トラクタとしての操作性が作り込まれている。

井関農機

添付PDF p.59–63にはISEKI & MOROOKAの共同ブランドを前面に出した資料があり、表紙には「丸ハンドル・レーザー仕様 NK80S~160S」とある。内部にはMK-S系列の仕様表が載る。

このため、井関向けも実際の販売カタログで確認できる。

日本ニューホーランド

これは「なぜ?」と思うところだが、存在自体は添付資料で完全に確認できる。

添付PDF p.87–88:

NEW HOLLAND
ゴムクローラートラクター
MK-80S / MK-120S
機動性実感。

標準小売価格は表紙に、

  • MK-80S:7,500,000円
  • MK-120S:9,000,000円

とある。

したがって「ニューホランドでも売っていたらしい」ではなく、少なくともMK-80S/MK-120Sを日本ニューホーランド名義で販売していたことは一次資料で確認できる

なぜ日本ニューホーランドだったのかについては、現段階では契約資料までは見つけていない。[推定]としては、北海道の畑作・酪農市場に強い販売網を持つ日本ニューホーランドと、軟弱地向け走行体を持つ諸岡の補完関係が考えられるが、これは別途裏取りが必要。

MSK東急

  • MSK東急のトラクターは丸ハンドルMK-Rシリーズで販売されていた。
  • 1998年諸岡総合カタログのOEM先一覧にもMSK東急が明記される。

日立建機

1998年総合カタログにはOEM先として日立建機も明記される。

ただし、添付PDFを通覧した範囲では、日立建機ブランドの農業用トラクタ本体を特定できていない。キャリアなど他製品のOEMを含めた記載である可能性がある。この点は「もしトラクターならば……」のまま未解決課題として残すのがよい。


変態な機械たち(ほめことば)#

この時期のモロオカは、MKというプラットフォームを「普通の農業トラクタ」に収めず、油圧を使って何でも載せ替える方向へ突き進む。

1998年8月11日:リバーストラクターとアジャスタブルトラクター[農機新聞]#

農機新聞の見出しは、

畑作用トラクター(リバースとアジャスタブル)2機種
運転席が180度回転(リバース)
畦間走行楽々(アジャスタブルトラクター)

である。

リバーストラクター#

運転席を180度回転させ、車体の前後方向を使い分けて作業する。1981年のP.P(Push Pull)トラクターとの直接的な設計系譜はこの記事だけでは断定できないが、車体の「前」と「後」を固定的に考えないという発想はよく似ている。

アジャスタブルトラクター#

畦間・条間に合わせて、作業機ではなくトラクター側の寸法・位置関係を変えるという発想である。既存のトラクターのセオリーをかなり自由に扱っていた時期を象徴する。

大型管理作業機 ハイクリアランストラクター MT-50(1997年)#

モロオカなのに車輪。

  • 今世紀最大の発明 ゴム車輪トラクター!
  • HSTで無段変速、自動走行可能。
  • 非常に軽量・コンパクトで、レンコン田の泥深い田を走行し、超微速を選択可能。
  • 最低地上高は抜群、重心が非常に低い。
  • 馬力あたりのトラクター重量は世界1軽い、とカタログで訴求(50 PS、1,880 kg)。
  • 前輪8万円、後輪18万円。
  • 平成10年の農機展ではMKT-50として展示。
  • 帯広畜産大学旧HP写真
  • 前輪920 mm、後輪1,550 mm。
  • 丸ハンドル。

添付PDF p.89には「大型管理作業機 ハイクリアランストラクター MT-50」の単独カタログが残るので、実在は明確。

1998年の農機新聞では「MKT-50L」として登場#

型式表記には資料間差がある。手持ちカタログp.89ではMT-50だが、1998年9月8日および10月20日の農機新聞では、明確にMKT-50Lと記載される。

9月8日の記事見出しは、

畑作、水田の管理作業に
諸岡 ゴム車輪トラクタ開発
HST、ハイクリ、超軽量

記事では、

  • 諸岡一雄氏が構想を進めていた機械
  • 1998年春に試作1号機が完成
  • 全国農機展へ急きょ出品
  • 諸岡一雄氏自身が実演運転
  • HSTによる超低速作業
  • 畑作・水田の管理作業を想定
  • 50 PS
  • 車体重量1,880 kg
  • ハイクリアランス
  • 丸ハンドル

とされる。

1998年9月1日の全国農機展記事でも、**「注目を集めたモロオカHST走行ハイクリアランストラクター」**として写真掲載されている。

10月20日の新製品欄にはさらに詳細な仕様がある。

項目農機新聞記載値
型式MKT-50L
全長3,630 mm
全幅1,500 mm
全高2,170 mm
機体重量1,880 kg
最低地上高700 mm
排気量2,732 cc
出力50 PS / 2,300 rpm
走行速度・低速0~8 km/h
走行速度・高速0~13 km/h
前輪径約930 mm
後輪径約1,550 mm
最大けん引力2,980 kg
操向丸ハンドル・パワーステアリング
PTO540 rpm
暫定価格2,950,000円

さらに、

  • 2ポンプ4モーターによるHST走行
  • 超微速走行
  • 前後進無段変速
  • 自動走行
  • 泥深い圃場への対応
  • 低重心
  • 3点ヒッチ
  • 防除機、播種機、ディスクハロー、カルチベーター、除草機等への対応

が特徴として挙げられる。

したがって、MT-50 / MKT-50 / MKT-50Lが時期・資料によってどう使い分けられたのかは未解決だが、少なくとも新聞発表時の正式表記としてMKT-50Lは確実に記録しておく必要がある。

トラクターショベル MH-38(モロオカなのに車輪2)#

  • ゴム車輪ハーベスターの発明。
  • 非常に軽量・コンパクトで、レンコン田(深さ1,000 mm)の泥深い田を走行し、超微速でレンコンを収穫可能。
  • 走行は全油圧式、前後進無段変速、自動走行可能。
  • エンジンから出る強い空気をバケット先端に吐出。またノズル先端から水とエアーが出る。バケット振動でレンコンの根を切り、水面に浮くレンコンを収穫。
  • 作業機を外してバケットを付け、堆肥切返し・運搬作業も可能。
  • ゴム車輪外径920、1,330、1,550 mmの3種。建設用ホイールも用意。
  • 2本レバー。

添付PDF p.22–23にはMH-38の仕様資料があり、機体質量1,480 kg、エンジン出力40 PS/2,500 rpmなどを確認できる。

マルチトラクター MTT-38(1998年7月)(モロオカなのに車輪3)#

  • レンコンハーベスター
  • 草刈り
  • ライスハーベスター
  • 防除
  • 肥料散布
  • 掘削
  • 運搬・積込み
  • 車輪径920 mmでダブル。
  • 写真はMTT-18。
  • 丸ハンドル。

添付PDF p.18にも「マルチトラクター」のカタログがあり、車輪式多用途プラットフォームを製品として展開していたことがわかる。

高速トラクター MK-H(1998–)#

  • Hシリーズは超高速トラクター。
  • 標準仕様に比較してほぼ倍速。
  • 70馬力で30 km/h、90馬力で35 km/h。
  • 同じ馬力帯でも50万円ほど高い??

添付PDF p.7には「ゴムクローラートラクターを発明して10年、新たに時速35 kmトラクター実現」とあり、MK-Hの高速化が明確に宣伝されている。

スライド式管理機 MK-A, MK-V(1999–2001)#

  • MK-V:クローラのトレッド幅可変。
  • MK-A:クリアランス可変。
  • モロオカ変態機械衆の最後か。

ゴム車輪フォークリフト MF(1999?–)#

  • 水田の中も走れるゴム車輪フォークリフト MF-08, MF-15。
  • ゴム車輪外径770–1,330 mm。

この発想は途切れていない。現在の諸岡にも不整地用クローラフォークリフトMFD-20が製品として残っており、「ぬかるみで荷役する」という課題は現在まで継承されている。

1999年7月20日:ゴム車輪フォークリフトを茨城の展示会で初公開[農機新聞]#

新聞見出しは、

ゴム車輪フォークリフトを開発
不整地の収穫運搬に威力
茨城の展示会で初公開

である。用途は畑での収穫物運搬、軟弱地での荷役、不整地走行。

1993年にはゴムクローラーフォークリフト、1998年にはゴム車輪トラクター、1999年にはゴム車輪フォークリフトと、走行方式そのものより**「現場で沈まず作業できること」**を優先していたことがわかる。

2001年1月1日:MF-20V、島原大根産地で23台一括導入[農機新聞]#

記事見出しは、

ゴムクローラーフォークリフト発表
悪天候時も作業可能
大根産地島原が23台一括購入

で、写真説明から型式MF-20Vを確認できる。トラクター本体の記事が減る一方、ゴムクローラーを使う農業用荷役機械では23台一括導入という具体的な需要をつかんでいた。

ブルドーザー MD(1999?)#

  • 超々湿地ブルドーザー、チルトアングリング付き。
  • 世界一軽いHSTブルドーザー、というカタログ訴求。
  • 自動均平装置。
  • 農業土木の仕上げ作業に最適。
  • 鉄リンクシューより3倍長持ち、というカタログ訴求。
  • MD-3, 4, 5, 6、80–140馬力。
  • 「どんな機械も入れない現場にスムーズに入る」。

添付PDF p.8にもMD-3~6の仕様表があり、農業用トラクタから農業土木へ同じ走行技術を横展開している。


農建トラクターという発想#

年々大型化する農業トラクターとマーケットシステム、「農建トラクター」。

モロオカのカタログを通して見ると、農業/建設という産業分類より、

地面が悪くても入れる走行体 + 油圧で動かせる作業機

という構成を先に作り、そこへ「ロータリ」「ブレード」「フォーク」「草刈機」「除雪装置」「ロールベーラ」「マニアスプレッダ」を載せて用途を決めている。

その意味で「農建トラクター」という呼び方は、単なる宣伝文句ではなくモロオカの設計思想をかなり正確に表していると思う。


そして終焉へ(2000–2003)#

トラクタに関しては、MK-SをベースとしてMK-AやMK-Vなど変態機械を作り出し、キャリア、ショベル、粉砕機など環境機械へシフトしていく。

1999年12月:農機レンタル事業へ[農機新聞]#

1999年12月7日の記事には、

農機レンタル事業を開始
ゴムクローラトラクター等3機種
将来は全国チェーン展開も

とある。

貸出機として、

  • ゴムクローラートラクター
  • 自走式マニアスプレッダー
  • その他の自走農業機械

が示される。1991年のMCT広告ですでに「レンタル・リースも大歓迎」としていたが、1999年にはレンタルを独立事業として展開しようとしていた。

2000年:クローラーが特殊技術から一般技術へ#

2000年1月1日の業界特集には、

クローラーが切り拓く新時代
特徴活かし複合品開発
小型機械への採用増える

とある。これはモロオカ単独の記事ではないが、1990年頃には大型ゴムクローラートラクター自体がニュースだったのに対し、2000年にはクローラーが運搬車・作業車・小型機・複合作業機へ広がる一般的な走行技術として扱われていることを示す。

2001年6月:自走式粉砕機MCシリーズ――環境機械への転換が紙面にも現れる#

2001年6月19日の農機新聞は、

自走式粉砕機MCシリーズ発売
環境リサイクル機械と位置づけ
濡れ草・雑木・廃プラまで

と報じる。

これは農業用トラクターではない。しかし開発史としては重要で、農業用トラクターで育てたゴムクローラー+HSTの自走プラットフォームが、環境リサイクル機械へ移っていくことを同時代資料で確認できる。

「トラクターをやめた」というより、農業用トラクターで完成させた走行・油圧技術を、運搬・環境機械へ分岐させたと見る方が、新聞記事の連続性には合っている。

  • ゴムクローラートラクターを発明して13年 7,000台の実績(2002年4月)[手持ち情報]
    • MKシリーズの五大特長。
    • 誰でも簡単操作の2本レバーで前後左右のスピードをコントロール。
    • 泥離れの良い山高クローラーは大きな牽引力と低接地圧を実現。
    • 自動ポジション水平機能と国際規格の三点リンク。
    • 制御装置は二系統。
    • 駆動システムはHST。
    • ラインナップはMK-100S, 140S, 160Sの3種類……。

添付PDF内には、別時期のカタログとして「12年・4,000台」「13年・6,000台」と読める資料も存在する。さらに2026年の公式発表は「1990年より約10年間、大型ゴムクローラトラクターを約2,800台」としている。

この数字は単純にどれかが誤りと断じるべきではなく、集計対象が異なる可能性がある。

数字資料あり得る集計対象
約2,800台2026年諸岡公式発表「大型ゴムクローラトラクター」事業の出荷
4,000台添付カタログのある版小型を含むゴムクローラトラクタ、OEM等を含む可能性
6,000台添付カタログの別版同上。時点差または範囲差の可能性
7,000台手持ち2002年4月情報集計対象・時点を要確認
約60,000台1998年総合カタログキャリア・トラクタ・フォークリフト・ショベル等、モロオカ製品全体と読むのが自然

この「台数問題」は今後、当時の決算資料、社史、新聞記事でぜひ詰めたい。

2000年終了説と2003年HP消滅説は両立しうる#

元原稿では、

  • 2003年4月のHPから農業用トラクタ、ゴムクローラトラクタの表記が消えた。

としている。Wayback Machineの観察として重要であり、そのまま残す。

2003年2月HP 商品案内(Wayback machineを利用してキャプチャ)

2003年2月HP 仕様(Wayback machineを利用してキャプチャ)

2002年HPに掲載されていた写真(Wayback machineを利用してキャプチャ)

2002年HPに掲載されていた、キャリアダンプに搭載された小型バックホー、詳細不明(Wayback machineを利用してキャプチャ)

ところが2026年6月3日の諸岡公式ニュースリリースは、

1990年より約10年間にわたり大型ゴムクローラトラクター事業を行い、2000年に同事業を終了

と明記した。

したがって現時点では、

  • 事業・生産の終了:2000年(諸岡の2026年公式整理)
  • Web上の商品掲載の消滅:2003年春(Wayback Machineで確認)

と分けるのが最も無理がない。生産終了後もしばらく在庫販売、部品供給、商品案内ページが残っていた可能性がある。

また公式沿革では2000年4月に木材破砕機を発表している。農業用トラクタ事業が縮小するのと同じ時期に、現在の主力につながる環境・リサイクル機械へ軸足を移したことになる。


2018年:久方ぶりの試作トラクタ#

  • 2018年に帯広で開催された国際農業機械展示会に、久方ぶりの試作機としてトラクタが展示された。
  • 写真撮影禁止、参考出品。
  • 当時は今後も発売する予定はないとのこと。
  • 現在は動画用におそらく阿見のテストフィールドに置いてある。

2024年1月1日現在Wikipedia より転載。

(この写真、某白い農機の試験ほ場では……? 上げて良い写真だったのだろうか)

ここまでなら、

これにてモロオカ農業用トラクタ、おしまい。

で終われた。

ところが2026年、話がひっくり返った。


2026年:モロオカ、フルクローラトラクタへ正式に再参入#

2026年6月3日、株式会社諸岡と三菱マヒンドラ農機株式会社は、三菱マヒンドラ農機が開発中の新型フルクローラートラクターの開発資産を諸岡へ譲渡する契約を締結した。

諸岡自身がこの発表で、

  • 1990年から約10年間、大型ゴムクローラトラクターを製造販売。
  • 国内外へ延べ約2,800台。
  • バブル崩壊後の事業環境変化により2000年に終了。
  • その後、三菱マヒンドラ農機が20年以上にわたり大型フルクローラトラクターを開発。
  • 今回の資産譲渡を契機に、諸岡がフルクローラトラクター事業へ再参入
  • 農業だけでなく林業、建設、海外市場との相乗効果も期待。

と説明している。

さらに2026年8月のJAcom報道では、開発中の新型について、

  • 2027年7月8–12日の帯広・国際農業機械展への出展と受注開始を目標。
  • ヤンマー製142馬力エンジンを搭載予定。
  • 車体寸法は三菱マヒンドラ農機GCR1380に近い構成が報じられている。

とされる。これは開発途中の計画値なので最終仕様とは限らない。

したがって、この原稿の最後はもう、

「これにて、おしまい」

ではなく、

「これにて第一幕、おしまい。第二幕は2026年から。」

に書き換えた方がよさそうである。


一般社団法人 日本農業機械化協会「農業機械化ニュース」に現れるモロオカ#

H11 8月:農用フォークリフト#

特殊車輪を採用した不整地対応型の農用フォークリフトで、ハウス内の作業から超湿田まで対応。またハンガーマストにより本マストの伸縮に関係なく動くためクリアランスがとれ、4軸駆動によりその場旋回ができる。触媒方式により排ガス黒煙を解消――などの特徴を持つ。

H12 6月:三菱農機のゴムクローラトラクタ#

12年度下期の新製品として発売。クローラの課題とされる移動速度は最高15 km/h。車輪式GXシリーズのマイコン「MAC・Sシステム」をクローラ用にアレンジし、液晶「マックビジョン」、クイックアップ、バックアップ、傾斜・耕深・ドラフト制御を搭載。

  • 業界初の後方レーザーシステム。
  • プラウ、ハロー、ロータリに装着し、大区画圃場の均平化。
  • PTO 3段変速。
  • MKM45(46馬力)~MKM75(75馬力)まで4型式。

H12 9月:ハイクリアランスタイヤ#

トラクター用特殊タイヤ。直径1,300 mmのハイクリアランスタイヤを始め、800、920 mmなど各種。銘柄に応じ農機店・農協農機センターで調整。


おまけ:三菱農機のゴムクローラトラクタとレーザー均平#

三菱農機は独自にレーザーシステムをゴムクローラトラクタへ取り入れようと積極的だった時期がある。

MITSUBISHI カッティングレーザーロータリー#

これはどちらかというと三菱かも。

三菱農機のクローラトラクタ(クロトラ)でレーザー作業する際に開発された機械の一つ。

MACの遺産だと思われるが正体は分からない。画像だけが手元にある。

チャレンジャーに装着されている画像だが、これは諸岡のイエローだと思われる。

関連特許かわからないが、「特開平9-322607」 はいかつい。

これを逆にしたものだろうか。

いや、これだわ:均等作業機(20250325)。

2001年くらいの三菱農機クローラトラクタのカタログにも、V字ではない片開きタイプのカッティングロータリーの写真が載る。

  • レーザーブレード
  • レーザーロータリー

添付PDF p.62–79にも、ISEKIおよび三菱のレーザー制御カタログが複数含まれている。このため、1990年代後半のクローラトラクタは単なる「低接地圧トラクタ」ではなく、大区画化・均平作業・自動制御と結び付いたプラットフォームへ進もうとしていたと考えられる。


特許:カタログ以上に「何を作ろうとしていたか」が見える#

これは深掘りできる。素晴らしい内容がいくつもある。それぞれ紐解いていこう。

特許群は、製品化された機械そのものより、**当時の開発陣が「ゴムクローラ/油圧走行体で何をやらせようとしていたか」**を見せてくれる。

不整地フォークリフト#

車輪式フォークリフトの特許。

凹凸のある不整地、畑、蓮田、水田等でも、フォークを支持するマストが凹凸面等により邪魔にならず、スムースに移動可能とする。

解決手段:主マスト34はシャーシフレーム2の前端に軸41で枢着され、凹凸面を移動しても邪魔とならない比較的高い位置に保持。主マスト34に対し動作第1シリンダで補助マスト35が往復し、補助マスト35に対してフォーク付きマスト36が往復。

ターントラクタ#

カタログではマルチトラクターと呼ばれていたもの。

れんこんハーベスタとして使用予定だったのだろう。色々なバケットが書かれている。

ブーム取付部、運転部及びエンジン台を含むフレームを、前後の車輪を懸架するシャーシフレームに対して旋回可能とするターントラクタ。

解決手段:旋回フレーム3はブーム取付部、運転部、エンジン台を一体構成。エンジン台はエンジン・オイルポンプを載せ、運転部より上方かつ車輪上端より上方に配置し、旋回時にも車輪と衝接しない。

れんこんハーベスタ#

これは知らない、なにこれ。

蓮田内で機動性よく移動でき、蓮根を圧搾空気で掘り起こし、自動収穫する蓮根掘り機。

解決手段:連結器で回転自在に連結した操舵可能な前方・後方フロート。各フロートには油圧モータで四輪駆動される水田車輪。前方フロートには油圧シリンダで動作するブーム、アーム、バケットからなる作業装置を水平旋回可能に装着。

ターントラクタ2#

分割出願。

ブーム取付部、運転部、エンジン台を含むフレームを、車輪を懸架するシャーシフレームに対して旋回可能とし、各種作業へ対応。

解決手段:アーム先端に、用途別の作業用バケット67を着脱できる取付フォーク68を設ける。

穀類収穫機(穂から籾のみ)#

稲の穂から籾のみを収穫する作業機を小型・簡単にし、小型トラクタ等へ容易に装備。

解決手段:作業機支持部材30を介して配置するバケット部材41に、収穫機50と籾・藁を分離するスクリーン部材45を組み合わせ、櫛歯部を持つ刃部材55で穂から籾だけをしごき取る。途中でバケットを傾動し籾を奥へ移して収容効率を高める。

油圧走行車両#

農業用トラクター等において、前後輪の轍を2条だけにし、農地を荒らさず、駆動伝達を簡素化。

解決手段:エンジンを載せる前部車体2と操作部を載せる後部車体5を別体とし、接続ピン51で連結。両側シリンダで操向。走行は油圧、PTO40はギヤで駆動伝達。

これは、モロオカが「走行は油圧で自由に、作業動力は機械式PTOで効率よく」という役割分担を考えていたことを示していて面白い。1992年MCT-250論文がHST効率の改善を指摘していたことともつながる。

フォークに作業装置を装備する作業車両#

農業用トラクターをフォーク装置で構成し、フォーク機能に加えて作業装置を装備して任意の作業へ対応。

解決手段:前部のフォーク21へ作業装置40を装備。支持フレーム41上部に駆動装置45、下部に草刈装置50。垂直軸で回る円板51に多数の刃53を配置。油圧モータ46へエンジン出力を油圧として供給。

ゴムクローラ#

ゴムクローラ車両の横滑り防止のため、ラグ形状を変更。

解決手段:平行ラグ21の両側にV状ラグ25を配置。前後ラグで囲まれる凹部24に雪をブロック状に圧密し、雪のせん断抵抗を高め、V状ラグで横方向抵抗を増す。

ゲレンデ整備車MGMとの関係を疑いたくなる特許。

走行車両:ローターで揚力を作る??#

農地等を走行する作業車両で、ローターにより推進力を得ると同時に揚力を用いてタイヤ接地圧を下げ、軟弱地を走行させる。

構成:左右前輪と1つの後輪。後輪操舵。車体前部に水平から角度θだけ傾けたローター軸を設け、ローターを回して接地圧低減。前輪間隔も変更可能。

これは「使えるかどうかは別として」という本稿の冒頭を、そのまま特許化したような機械である。

穀類収穫機(熱風+油圧直列駆動)#

農機新聞に掲載されていたやつ。

トラクター前側にコンバイン25、本体に脱穀機10。エンジン3からの熱風をダクト30経由で脱穀機へ送り、濡れた藁・穀粒の水分除去。エンジンに3個の油圧ポンプを直列接続し、その一つを作業機駆動に使用。作業機油圧モータを直列接続し、穀物に適した回転数で駆動。

その他#

特許を系統で見る#

系統主な特許・機械開発思想
走行体油圧走行車両、ゴムクローラHST、低接地圧、横滑り対策、機械式PTOとの役割分担
作業機交換フォーク+草刈装置、ターントラクタ1台のベースマシンへ多用途アタッチメント
超湿地農業れんこんハーベスタ、MT/MH/MTT「田に入れる」ことそのものを機械化
収穫穀類収穫機2系統既存コンバインの模倣ではなく、前装・穂だけ収穫・油圧駆動など独自構成
特殊走行ローター揚力車両接地圧そのものを能動的に減らす発想
非農業展開ビーチクリーナ、除雪、草刈同一プラットフォームを用途横断で利用

仕様一覧:年代別「何が変わったか」を見る#

単純な型式表だけでなく、世代ごとの設計思想も並べる。

時期主系列代表型式走行操向PTO/作業機特徴
1970年代MB/MS/MSTMB-22, MS-30, MST-500油圧+クローラレバー簡易ヒッチ、ローダ等超湿地走行体の確立
1981頃P.PP.P-3000/5000全油圧前後進・旋回三点リンク、多数アタッチメント前後両方向を作業側にする万能車
1980年代後半D系/MS系D210K–D510, MS-25–200HST中心レバーロータリ、ブレード等農建兼用の大型化
1990MCT Adventure80–2502ポンプ2モータHST2本レバー機械式PTO 540、3点リンク農業用フルクローラとして体系化
1991–96MK20/25~300級HST2本レバー国際規格3点リンクへ20~300PS級の大量展開
1997–MK-S40S–200S等HSTレバー/丸ハンドル派生ポジション・水平・レーザー安全性と農業制御を強化
1998–MK-H70H/90H等高速HST30–35 km/h級
1999–MK-A/MK-VHST管理作業車高/トレッド可変
1997–2001車輪多用途MT-50 / MKT-50L, MH-38, MTT-38全油圧丸ハンドル/2レバーレンコン、草刈、防除、荷役クローラ技術思想を特殊ゴム車輪へ。MKT-50Lは新聞で50 PS・1,880 kg・PTO 540 rpm・暫定295万円を確認
2026–新型フルクローラ開発中開発中開発中開発中三菱マヒンドラから開発資産譲受、事業再参入

この開発史から見える「モロオカらしさ」#

1. まず走れること。その後に農作業を載せる#

一般的な農業トラクタは、「エンジン+変速機+PTO+三点リンク」という農作業プラットフォームが先にあり、タイヤやクローラは走行装置の選択肢になる。

モロオカは逆に見える。

  1. 軟弱地を走れるゴムクローラを作る。
  2. HSTで左右独立駆動する。
  3. その走行体にバケット、ブレード、ロータリ、フォーク、草刈機を載せる。
  4. 最終的に「農業用トラクタ」として三点リンク・PTO・制御を整える。

この順番の違いが、普通のトラクタメーカーから出てこない機械を大量に生んだのだと思う。

2. HSTは「便利な変速機」ではなく、機械を七変化させる中核#

HSTは無段変速のためだけではない。

  • 前後進を同等に扱える。
  • 左右クローラを独立制御できる。
  • その場旋回できる。
  • エンジン位置や作業機配置の自由度が大きい。
  • 油圧取り出しで草刈機、フォーク、ブーム等を動かせる。

だからP.P、MST、MK、MGM、MF、MH、MTTが同じ会社から出てくる。

一方、1992年のMCT-250試験は、重けん引領域では油圧効率・操向操作に課題があることも示した。つまり「油圧なら全部うまくいく」ではなく、油圧の自由度と農業トラクタに必要な効率・精密制御をどう両立するかが開発テーマだった。

3. ゴムクローラは低接地圧だけではない#

カタログは低接地圧を強調するが、農業での価値は少なくとも4つある。

  • 接地面積が大きく沈下しにくい。
  • 接地長が長く、大きなけん引力を発生できる。
  • 泥でタイヤラグが埋まる状況でも駆動を維持しやすい。
  • 鉄クローラより舗装路や圃場表面を傷めにくく、高速移動もしやすい。

1993年の北大MK-80報告は、これが宣伝ではなく、車輪トラクタが走行不能になった実圃場で成立したことを示す。

4. OEMは「モロオカが裏方のプラットフォームメーカー」になった時代#

1998年資料のOEM7社は非常に重要。

コマツ、クボタ、三菱、井関、ニューホーランド等が、自社ブランドのトラクタとして売れる程度にモロオカの走行プラットフォームが完成していたということになる。

特にコマツカタログに「販売 KOMATSU / 製造 MOROOKA」と明記される点は強い。

この時代のモロオカは単なる小規模な変わり種メーカーではなく、複数大手のブランドを裏で支える専門プラットフォームメーカーでもあった。

5. そして「普通の農機メーカーにならなかった」#

ここが一番面白い。

MKを普通のトラクタとして洗練し続けるだけなら、ラインナップ整理、共通化、量産、販売網強化という方向へ進むはずである。

しかし実際には、

  • 超高速化
  • 車高可変
  • トレッド可変
  • ゴム車輪
  • レンコン
  • フォークリフト
  • 草刈
  • ゲレンデ
  • ロールベーラ
  • マニアスプレッダ
  • ブルドーザ
  • レーザー均平
  • 旋回フレーム
  • ローターで揚力(特許)

と、また横へ広がっていく。

経営戦略として効率的だったかは別として、**「現場で困っている仕事を、手持ちの油圧とゴムクローラで何とかしてみる」**という開発文化は一貫している。


未解決事項・今後調べたいこと#

  1. P.P-3000の正確な仕様
    P.P-5000は添付PDFで詳細確認できたが、P.P-3000の同時期カタログを探したい。
  2. MIG5000という開発名称の一次資料
    現状は手持ち情報。社内資料・新聞記事が欲しい。
  3. MCTの略称
    「Morooka Challenger Tractor」説は魅力的だが、カタログ本文で正式展開をまだ確認できていない。
  4. MKの略称
    「Morooka Kazuo」説も同様。1980~90年代の社内報・新聞インタビューが欲しい。
  5. D210K/D210Mの素性
    小松D20/三菱ブルドーザとの関係を部品番号、フレーム形状、エンジン型式で比較したい。
  6. 日立建機OEMは何の製品だったか
    1998年総合カタログには日立建機がOEM先として明記されるが、農業用トラクタなのかキャリアなのか要特定。
  7. 「2,800 / 4,000 / 6,000 / 7,000台」の集計範囲
    大型のみ/小型含む/OEM含む/累計時点、を社史や新聞で解く。
  8. 事業終了年2000とWeb掲載2003の間
    最終生産ロット、受注終了、販売終了、部品供給のみの期間を分離したい。
  9. 2018年試作機と2026年再参入機の技術的連続性
    2018試作機が三菱系技術、独自開発、単なる展示試験のどれだったか。
  10. 2026–27新型機
    142馬力級と報じられる新型の走行HST、PTO、三点リンク、トレッド、接地圧、輸送性が公開されたら、MCT/MK/MKMとの系譜比較ができる。
  11. MT-50 / MKT-50 / MKT-50Lの型式関係
    手持ちカタログp.89はMT-50、展示会メモにはMKT-50、1998年農機新聞はMKT-50L。試作名、展示名、量産名、L仕様の違いをカタログ発行年月・型式認定資料で確定したい。
  12. 1991年MCT→MKの正確な切替時期
    1991年2月にはMCT広告、同年9月にはMK広告が確認できる。MCTと初期MKが並行販売されたのか、型式体系を途中で変更したのかを、1991年の価格表・販売店資料で詰めたい。
  13. 北海道「1,500台強」の集計対象
    1996年農機新聞の導入台数がモロオカ製のみなのか、他社製ゴムクローラトラクターを含む市場全体なのか、記事本文・統計資料で確認したい。

リファレンス一覧#

本稿では、メーカー公式資料、手持ちカタログ、農機新聞・業界ニュース、学術論文、特許、Webアーカイブを相互に照合している。広告と記事では情報の性格が異なるため、「世界初」「世界一」「発明」等の表現は、原則として当時のメーカー/記事が用いた表現として扱う。

会社・公式資料#

手持ちカタログ・一次資料#

morookaBrochure.pdf(147ページ)#

本稿で最も多く参照したカタログ群。主な収録内容:

  • p.1–20:諸岡総合カタログ、MK、フォークリフト、ブルドーザ、MST、マルチトラクタ等
  • p.25–36:草刈トラクタ、PUSH TRACTOR、MGMゲレンデ整備車
  • p.37–45:マニアスプレッダ、ロールベーラ等
  • p.47–58:クボタ ゴムクローラトラクタ
  • p.59–63:井関/MOROOKA ゴムクローラトラクタ、MK-S、レーザー仕様
  • p.64以降:三菱ゴムクローラトラクタと制御・レーザー関係
  • p.81前後:コマツ ゴムクローラトラクタ(販売KOMATSU/製造MOROOKA)
  • p.87–88:日本ニューホーランド MK-80S / MK-120S
  • p.89:MT-50 ハイクリアランストラクタ
  • p.90:小型MKシリーズ仕様表
  • p.94–120前後:Morooka Tractor / MKシリーズ各年代カタログ
  • p.126–127:MCT-80 / 100 / 150 / 200 / 250 ADVENTURE
  • p.128:MSトラクターショベルシリーズ
  • p.130–131:P.P-5000 PUSH PULL TRACTOR
  • p.132以降:初期MS/MB、輸出向け英文カタログ等

カタログは発行時期によって同一型式でもエンジン、重量、キャビン、価格等が変わるため、仕様値には参照ページを付している。

農機新聞・農業機械業界紙#

添付スキャン 農機新聞_モロオカ.pdf(48ページ)#

今回追加した情報の主要な同時代資料。農業用トラクターだけでなく、フォークリフト、レンタル、環境機械への移行まで追える。

PDFページ日付種別諸岡史に関係する主な内容
11990-09-11記事苫小牧工場落成、関係者3,000名、ゴムクローラートラクター5型式を実演
31991-01-22記事ゴムクローラートラクター本格販売開始、代理店募集、作業機・メンテナンス体制
41991-02-19広告MCT-80/100/150/200/250、出力・価格・HST・PTO・ボギー等
51991-05-28記事全国から引き合い、小型シリーズ量産化、小型80馬力
7–81991-07-23記事・写真各地展示会で人気、機動力・牽引力・その場旋回、40/60/86PS級小型シリーズ
91991-09-03広告早くもMK名称。MK-40~80、100~160、200以上の牽引力区分
131993-02-09記事農業用ゴムクローラーフォークリフト12型式
161994-04-19記事ゴムクローラートラクター順調な伸び、専用作業機充実、プロ農家の評価
191994-10-25広告MK-35・45・55、カテゴリーII、PTO 540/1000 rpm
271996-01-23記事MSK東急 MK-R、丸ハンドル仕様、全13機種
281996-01-30新製品「待望」の丸ハンドル仕様を再紹介
181996-08-27広告MKシリーズ25~250PS
291996-08-27記事北海道導入1,500台強、モロオカが先鞭、クボタ共同開発、実演会約500名
311997-01-01技術特集「人が歩くより土にやさしい」―低接地圧・土壌踏圧の技術背景
331998-08-11記事リバース/アジャスタブルトラクター、180度回転運転席・畦間対応
341998-08-11広告「農建トラクター」MK 19機種、20~450PS
351998-09-01展示会HSTハイクリアランストラクターに注目
361998-09-08記事ゴム車輪トラクターMKT-50L、1998年春試作1号、50PS・1,880kg
371998-10-20新製品MKT-50L詳細仕様、PTO 540rpm、暫定価格295万円
391999-07-20記事ゴム車輪フォークリフト、不整地の収穫運搬、茨城で初公開
401999-12-07記事農機レンタル事業、ゴムクローラートラクター等3機種、全国チェーン構想
422000-01-01技術特集クローラー技術の小型・複合機への普及
472001-01-01記事ゴムクローラーフォークリフトMF-20V、島原大根産地で23台一括導入
482001-06-19記事自走式粉砕機MCシリーズ、環境リサイクル機械への展開

資料上の注意:このPDFは新聞紙面をスキャンした画像資料で、小さな本文・仕様表には判読しにくい箇所がある。確実に読めない型式・数値は無理に補完していない。またp.31、p.42はモロオカ固有の記事ではなく、当時のゴムクローラー技術の背景資料として用いている。

日本農業機械新聞・購入ページとして控えていた号#

元原稿で調査対象として記録していた号。本文未入手・未再照合のものも含むため、今後の追加調査用リストとして残す。

これらの号を追加購入・精査できれば、発売月、価格、販売目標、OEM先、型式切替を年単位から月単位へ詰められる可能性がある。

一般社団法人 日本農業機械化協会「農業機械化ニュース」#

本文中で扱った主な記事:

  • 平成11年8月:農用フォークリフト。不整地・畑・超湿田、ハンガーマスト、4軸駆動、その場旋回、触媒による黒煙低減。
  • 平成12年6月:三菱農機ゴムクローラトラクタ。最高15 km/h、MAC・S、マックビジョン、バックアップ、マイコンドラフト、後方レーザー、PTO 3段。MKM45~MKM75の4型式。
  • 平成12年9月:ハイクリアランスタイヤ。直径1,300 / 920 / 800 mm等。

学術資料#

特許・公開公報#

本文中で参照した主なもの:

  • 特開2000-233900「不整地フォークリフト」
  • 特許第2893011号「ターントラクタ」
  • 特開平11-103633「れんこんハーベスタ」
  • 特許第2873228号「ターントラクタ2」
  • 特開平9-327224「穀類収穫機」
  • 特開平9-309466「油圧走行車両」
  • 特開平9-194199「フォークに作業装置を装備する作業車両」
  • 特開平5-316861「穀類収穫機」
  • 特開平5-163744「トラクターに設ける作業装置」
  • 特開昭61-277707「ビーチクリーナ」
  • 特開昭61-274004「除雪装置」
  • 特開昭59-160665「油圧走行車両」
  • 特開昭52-115505「トレンチャー」
  • 三菱農機レーザー関係:特開平9-322607、特開平11-113312、特開2000-041408

各リンクは本文の「特許」および「三菱農機のゴムクローラトラクタとレーザー均平」節に記載。

展示会・建設機械関係資料#

Webアーカイブ・写真資料#

  • Wayback Machineで2002–2003年の諸岡商品ページを確認。本文中のスクリーンショット:
    • /img/morooka_2003_0215.png
    • /img/morooka_2002_0211_spec.png
    • /img/morooka_2002_history.png
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2026年以降#


最後に#

牛久沼のほとりにある株式会社諸岡。現在こそ商品のラインナップは絞られているものの、ひと昔まえはとても暴れていた。

失敗を恐れない挑戦的な試作品の数々は、現在は製品化されていないものが大半だが、「現場の仕事を楽にしたい」という開発者の思いがこもっており、経営戦略に沿ったもの、セオリー通りの農業機械開発という常識を破った独創性を感じずにはいられない。

使えるかどうかは別として、油圧モータを駆使した農業機械の七変化に我々ファンは惹かれてしまう。

しかも2026年、終わったと思っていたフルクローラトラクタの歴史が、三菱マヒンドラ農機からの開発資産継承という形で再び動き出した。

P.PからMCT、MK、MKM、そして次の新型へ。
モロオカの農業用トラクタ史は、どうやらまだ「おしまい」ではなかった。